🔥秋を彩る炎の花:リコリス(彼岸花)の物語(9月22日誕生花)

 


🔥秋を彩る炎の花:リコリス(彼岸花)の物語

秋の風が少し冷たく感じられる頃、田んぼのあぜ道や寺の境内に、突如として現れる赤い花。まるで地面から炎が立ち上るように咲くその姿に、人々は足を止め、静かに見入ります。その花の名は「リコリス」、日本では「彼岸花」として知られています。

🌸名前に宿る二つの顔

「リコリス」はギリシャ神話の海の妖精「Lycoris」に由来すると言われ、英語では「Spider Lily(蜘蛛の百合)」とも呼ばれます。一方、日本では「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という仏教由来の名もあり、「天上の花」という意味を持ちます。

この花には毒があり、昔は墓地や田畑の周囲に植えられていました。動物を遠ざけるための知恵でしたが、同時に「死」や「別れ」の象徴としても語られるようになりました。

📅9月22日の誕生花として

リコリスは9月22日の誕生花。花言葉には「悲しい思い出」「情熱」「再会」などがあり、どこか切なくも美しい響きを持ちます。秋分の日に咲くことが多く、祖先を想う季節にぴったりの花です。

🍂季節の移ろいとともに

リコリスは葉がない状態で花だけが咲き、その後に葉が出るという不思議なサイクルを持っています。花と葉が決して出会わないことから、「葉見ず花見ず」とも呼ばれ、儚さの象徴として詩や歌にも詠まれてきました。

彼岸花 咲いては消えて また巡る 赤き炎に 秋の風宿る