🍂杜鵑草(ほととぎす)──秘めた秋の声を咲かせる花
秋の山野にひっそりと咲く杜鵑草(ほととぎす)は、まるで季節の移ろいを語る詩人のようです。 その名は、鳥のホトトギスの胸元にある斑点模様に似ていることから名付けられました。英名では「Toad lily(ヒキガエルのユリ)」とも呼ばれ、斑点模様がカエルの肌に似ていることに由来します。
🌸花の姿と特徴
杜鵑草はユリ科の多年草で、8月から11月にかけて開花します。 白地に紫の斑点が浮かぶ花弁は、まるで水墨画のような繊細さ。 花柱がヘリコプターのプロペラのように広がり、雄しべが長く伸びるその姿は、静けさの中に力強さを秘めています。
💬花言葉に込められた想い
永遠にあなたのもの
永遠の若さ
秘めた意志
恥ずかしがりや
秘めた恋
これらの言葉は、日陰でも凛と咲き続ける杜鵑草の姿に重ねられたもの。 特に「秘めた意志」という言葉には、静かに自分を貫く強さが感じられます。
🗓誕生花としての杜鵑草
9月12日と10月9日の誕生花としても知られています。 秋生まれの方への贈り物に、そっと添える一輪の杜鵑草は、言葉にできない想いを伝えてくれるかもしれません。
🏞文化と季節の中のほととぎす
茶花としても古くから親しまれ、侘び寂びの美意識に通じる花として、秋の茶席に彩りを添えてきました。 また、山路に咲く「ヤマジノホトトギス」や、釣鐘型の黄色い花を咲かせる「キイジョウロウホトトギス」など、品種ごとに異なる表情を見せてくれます。