🌿誇りと孤高の花 ― 薊(アザミ)の物語(9月18日誕生花)
秋の風が野を渡る頃、ひときわ目を引く紫の花が静かに咲いています。それが薊(アザミ)。鋭い棘に守られながらも、凛とした美しさを放つその姿は、まるで誇り高き孤高の騎士のよう。
🟣薊の花言葉:
「独立」
「触れないで」
「厳格」
「報復」
その花言葉は、薊の持つ棘と、他者を寄せ付けない強さに由来します。しかし同時に、内に秘めた優しさや繊細さを感じさせるのも薊の魅力。誰にも媚びず、ただ自分の信念に従って咲く姿は、現代を生きる私たちにも通じるものがあります。
🏰歴史と文化の中の薊
薊はスコットランドの国花としても知られています。伝説によれば、夜襲を仕掛けようとした敵兵が薊の棘に足を刺され、悲鳴を上げたことでスコットランド軍が目覚め、勝利を収めたといいます。この逸話から、薊は「守護」と「警戒」の象徴となりました。
また、日本でも山野に自生し、秋の野草として親しまれています。万葉集にも登場し、古人の目にもその美しさと厳しさが映っていたのでしょう。
🍃薊の季節と風景
秋の野に咲く薊は、他の花々が色褪せていく中で、ひときわ鮮やかな紫を湛えています。風に揺れるその姿は、寂しさの中にある強さを感じさせ、見る者の心に静かな感動を呼び起こします。
「誰にも触れられずとも、私は咲く。 棘の奥に、紫の誇りを宿して。」